オーブン 3(完結編)

DSCN7207_2016092702535103d.jpg本文とは関係なく「夏の市立公園」


この記事は、以前マダムが書いたこの記事この記事を、あらかじめ読んで頂けると分かりやすいです。(念のため)

その男達は突然やって来た。

と言うと大げさだけど今朝の10時半頃、私が台所で私と娘のための遅い朝食を作っていると電話が鳴った。
娘が取ると、なんと今から新品のオーブンレンジを持ってくると言うのだ。
せめて前日には連絡して欲しいよなぁ、などと言いつつ大急ぎで朝食を食べ終えると、その後五分ぐらいして男二人がオーブンを持ってやって来た。
三十代後半か四十代ぐらいの、わずかに知的風貌を感じさせはするものの、どちらかと言うと「おっさん」といった方が似つかわしい雰囲気をただよわした二人であった。
彼らはテキパキと、とは言いかねる、おしゃべりがちな態度で、それでも僅か三十分程度で新品のオーブンレンジとガスの元栓を繋ぎ、古いのを持って帰って行った。

やれやれ、これで一件落着だよ、思いの外早かったよなぁ・・・
と新品のオーブンレンジを眺めている内に、私はある事に気がついて唖然としてしまったのだ。
読者の方々には下の写真のオーブンレンジの右側をご覧いただきたい。
IMG_0078.jpg
机とオーブン右側の間に15センチほどの隙間があるのがお分かりいただけるであろう。
これは以前はなかった隙間だが、私が結構苦労して机の位置を右にずらして作った隙間なのだ。
何故こんな事をしなければならなかったか、それは法律が変わったからで、ここが大きな問題だったのだ。
もう一度上の写真の件の隙間の奥をご覧いただきたい。
下にスチールのホースを垂らした突起物が見えるが、これがガスの元栓である。
大写しにしたのが下の写真だ。
IMG_0080.jpg
法律が変わったというのは、何時からかは知らないが、現在の位置では開閉にかなりの困難を伴うこの元栓を、簡単に開け閉めできるように、奥から手前にガスのパイプを延長し、元栓を手前に据え直さなければならなくなったらしい。
新しくオーブンを取り付ける場合は、そうしないと法律違反になる、と言われていたのだ。
それゆえ私は手前に来るべきガスの元栓のための空間を、大汗かいて作ったにもかかわらず、おっさん二人はその大事な工事には全く手をつけず、ただ単にオーブンレンジとガス栓をつないだだけで帰って行った。

もういい、もういいよ・・・
「法律違反だ!」とか言って咎めに来るヤツなんていないよ。

私は、ここウィーンでは、「法律」というものの、より上位にある概念として「めんどくさい」というものがある、という事に最近気がついたのだった。

と言うのは、まあ冗談として、これはおそらく法律と言ってもウィーン市の定めた条例のようなもので、罰則規定など無いのではないかと推察している。
しかし、ここはこういうのが多すぎる。
「犬のウンコ袋」のスタンドは市内の至る所に設置されているが、相変わらず道路には時折、件の物がちりばめられている。
色付きガラスと透明ガラスの瓶、缶、それにペットボトルを分けて捨てるための大きなゴミ箱も街角のあちこちにあるけど、わざわざ捨てに来る人を私は、私以外ほとんど見ない。
めんどくさい生活廃油の収集も市民の善意に期待するだけだ。
いずれも罰則規定がなく単なる努力目標のような法律だと思う。

こんなことで世界有数のエコロジー都市などと偉そうな顔をしてほしくないよ、と思うのは、やはり私が日本人だからなのだろう。


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