ヴェラスケス展 その1

DSCN7830.jpg展覧会の入り口、ここから先は写真撮影禁止。以下のヴェラスケスの作品の画像はネットから探し出したもの。


現在、ここウィーンの美術史美術館では2月15日まで、ヴェラスケス展が開催されている。
昨年末から「行かなくては…」と思い続けて、一昨日やっと行ってきた。
誠に素晴らしい展覧会であった。

Diego_Velázquez_Autorretrato_45_x_38_cm_-_Colección_Real_Academia_de_Bellas_Artes_de_San_Carlos_-_Museo_de_Bellas_Artes_de_Valencia51歳のヴェラスケスの自画像 45cm x 38cm 1650年

ヴェラスケスがスペイン王フェリペ4世の宮廷画家だった頃、スペインの王家はウィーンの神聖ローマ皇帝とは姻戚関係にあり、さらにフェリペ4世の娘のマルガリータ・テレーザ王女とウィーンの皇帝レオポルド一世の婚約が早々と決まっていたことから、王女の成長を伝えんがためにヴェラスケスに描かせた3歳から10歳までの王女のポートレイトをはじめとして、スペイン王族の肖像画が、数多ウィーンの宮廷に伝世し、現在は美術史美術館に所蔵され、この美術館の目玉展示の一つと成っている。

Retrato_de_la_infanta_Margarita_(3),_by_Diego_Velázquez青衣のマルゲリータ・テレーザ王女(8歳) 1659年  126cm x 106cm

今回の展覧会は、この所蔵作品に加え、スペインのプラドをはじめとして世界中の美術館からヴェラスケスの代表作を四十数点集めた展観で、非常に見ごたえのあるものだった。

スペイン南部のセヴィリアに生まれ育ち、地元の画家パチェーコに11歳ごろ弟子入りした彼が、18歳に独立して最初に描いたマリア像などもあって興味深かったが、私はまず、この絵の前に来て動けなくなってしまった。

15_El_Aguador_de_Sevilla_(Wellington_Museum,_Apsley_House,_Londres,_1623)セヴィリアの水売り 1622年 107,7cm x 83,3cm

ヴェラスケスの若描きの中の傑作として有名な絵で、私も好きな絵だったけど、実物を見てみると、その見事としか言いようのないリアリティーと重量感に圧倒される。
油絵具はおそらく、白、黒、赤土、黄土の4色しか使っていないのではないか?
地味だけれど力強い印象のあるほれぼれする色彩と絵肌で、画面全体から、すでに古典的な風格を感じさせているが、何と23歳の時の作品である!
この絵を描いた翌年、彼はスペイン王フェリペ4世の宮廷画家となり、以後三十数年王家や宮廷の人々の肖像画や王宮や離宮を飾る作品を描き続けた。

Ladyfromspanishcourt.jpg貴族女性の肖像  1630~1633 123cm x 99cm

ヴェラスケスはその生涯に二度イタリアを旅行している。この肖像画は最初の旅行(1630~1633)の際に描かれた、ローマ在住のスペイン貴族の女性である。
三十代になった彼は、豊かなイタリア絵画からの刺激も有ってか、作品にも大きな成長を見せている。
それはつまり、それまでの風格のある作風が、さらに深い微妙さも感じさせるものとなっているのだ。
上の女性の顔に浮かぶ、微笑をわずかに含んだその表情のニュアンスの見事さ!
晩年のレンブラント以外、誰もこんな風には描けないと思う。

(次回に続く)

記 Kenwan

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